今回は脂質異常症と甘いものについて。
脂質異常症、いわゆるコレステロールが多いと言われる病気ですが、その内容は大きく分けて3つあります。
☆高LDLコレステロール血症・・・LDLコレステロール値が140㎎/dl以上
☆低HDLコレステロール血症・・・HDLコレステロール値が40mg/dl未満
☆高トリグリセライド血症(高中性脂肪血症)・・・トリグリセライド(中性脂肪)値が150mg/dl以上
(脂質異常症はこちらにもアップしてあります→脂質異常症)
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中性脂肪が多いと動脈硬化を引き起こします。
動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞など生命を失う危険のある病気の原因になることはよく知られています。
今回は脂質異常症の中で中性脂肪が多くなる症状である、高トリグリセライド血症と甘いものとの関係をご紹介したいと思います。
日本人男性の半数弱、女性の3分の1がこの病気だと言われています。
目次
脂質異常症と甘いもののお話の前にアルコールとの関係を少し・・・
中性脂肪、つまり単なる油ですが、これが血液中に多くなりすぎたものが脂質異常症の中のひとつ、高トリグリセライド血症です。
油が多いと言うことになるので、油を控えようとするわけですが、油以上に摂取を控えなければいけないものが「アルコール」です。
お酒を飲むと、アルコールは肝臓で分解されます。
この時、アルコールはアセトアルデヒドと言う毒性のある物質に変えられた後、無害な酢酸へとさらに変化させられます。
肝臓でアルコールが無害化されて産まれた酢酸は、酢酸は短鎖脂肪酸に分類される物質でもあるのです。
この短鎖脂肪酸である酢酸は、肝臓の中でさらに長い構造を持つ他の脂肪酸に合成されてゆき、中性脂肪として肝臓の周りや血液中にたっぷりと含まれることになります。
普段の私たちは、お腹が減っている時や、有酸素運動でエネルギーをどんどん使っている時には、身体の中で脂肪から脂肪酸が分離され、それがミトコンドリアと言う細胞内の器官でβ酸化と言う分解方法を使ってエネルギーにされます。
一方、お酒を飲んで体にアルコールが残っている状態では、肝臓ではアルコールの代謝が続きます。
アルコールの代謝が行われている間は、脂肪のβ酸化が抑えられますので、脂肪が使われなくなるのです。
つまり、お酒を飲んでいる状態では、肝臓でアルコールを原料に中性脂肪がどんどん作られ、一方では他の食べ物から得られたものまで含めて、中性脂肪が使われなくなるのです。
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中性脂肪の隠れた原因「糖質」
飲酒の習慣も脂っこいものの摂取も少ない人の中でもトリグリサライド血症の人は意外とたくさんいらっしゃいます。
その原因は糖質です。
甘いものはもちろん、食物繊維以外の炭水化物全般が中性脂肪の原因になる食べ物です。
アルコールと違ってたくさん食べたからと言って、中性脂肪からエネルギーを得て分解すると言う働きを邪魔することはありません。
中性脂肪の原料になるからと言っても、中性脂肪の値や体重、血糖値などの異常がなければご飯などを制限する必要はありません。
一方、これらの数値のどれか一つでも異常がある場合は、少し野菜や繊維質の多い食品と置き換えるなどの工夫をしてみましょう。いわゆる軽い糖質制限食の導入です。
甘いものは極力減らし、主食になるものは少し我慢すると言うくらいの方向から入ってみられるのが良いでしょう。
甘いものの中で意外と危険なものは異性化糖です。
異性化糖とは、天然甘味料です。
一時期話題になった「ペットボトル症候群」は清涼飲料水の飲みすぎによって急性の糖尿病を発症し、意識を失うこともある怖いものです。
こちらは如何でしょう?
整体師が教える脂質異常症を予防&改善のための5つの習慣
冷たくて甘いものの危険性!知らずに異性化糖を多く摂っている
食後に冷たくて甘いデザートを食べると、この異性化糖を食べている可能性が高くなります。
そして、食後には食べ物から得られた糖質が充分に身体にあるため、果糖はエネルギーになることなく、そのまま中性脂肪へ一直線です。
このことは、単に異性化糖だけの問題ではなく、果糖を多く含む果物についても同じことが言えるので注意が必要です。
一方で、空腹時に果糖を食べると、2/3くらいは肝臓でブドウ糖に作り替えられます。
そのあとで余った分は貯蔵糖であるグリコーゲンに変化しますから、中性脂肪になる率は低くなります。
まとめ:デザートは控えめに
異性化糖を使っていない、甘い焼き菓子などであっても、砂糖自体の半分が果糖でできているわけですから、中性脂肪へのリスクはしっかり存在します。
食後の甘いものは魅力的ですが、血液検査で中性脂肪が多すぎると言われたら、砂糖を入れていない飲み物にするか、どうしても甘いものが欲しい時は人工甘味料への切り替えを考えた方が良いでしょう。
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