脂質異常症と高脂血症の違いをご存知でしょうか?
2007年7月に、今まで高脂血症と言われていたものが、脂質異常症と改名されました。
今まで、高総コレステロール血症、高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症,低HDLコレステロール血症のいずれかまたは複数を持っていることを総称して「高脂血症」と言っていました。
高脂血症と言われる方が馴染みがありますね。
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目次
なぜ高脂血症から脂質異常症に改名されたのでしょうか?
高脂血症と言っても,低HDLコレステロール血症も含むので、「高い」場合のみではなく「低い」ことも問題がある。
また、善玉のHLD-コレステロールは高いほうが良いので、高脂血症と言う病名ではそぐわないこともあります。
それら誤解を解消するために「脂質異常症」と改名したということです。
内容としては高脂血症は脂質異常症である(に含まれる)
生活習慣病もかつては成人病と言われていました。
代表的な成人病(生活習慣病)として、高脂血症、高血圧、糖尿病が挙げられますが、これらが引き金となって起こる動脈硬化、虚血性心疾患、脳血管障害など、多くの病気が生活習慣病として挙げられます。
(そのほかには、骨粗鬆症、歯周病、がんなども生活習慣病と言われています)
これらの病気は、加齢とともに発症するケースが多いので「成人病」と言われていましたが、原因は加齢よりも、むしろ、食生活、運動不足、喫煙等間違った生活習慣にあることが多く、昨今は子供にも起こることが明らかになって、今では「生活習慣病」と言われています。
もはや、成人のみがかかる病気ではなく、年齢問わず、その生活習慣で発症する病気・・と言うことです。
成人病が生活習慣病と改名されたように、高脂血症も脂質異常症と改名されました。
つまり脂質異常症と高脂血症の違いは、ざっくりいえば「ない」と言っても問題ないでしょう。。
更に詳しく脂質異常症と高脂血症の違いを見てみましょう。
繰り返しますが、2007年から「高コレステロール血症」と「高脂血症」を総称して「脂質異常症」と改名されました。
「高コレステロール血症」「高脂血症」「脂質異常症」はいずれも血液中の脂質成分が異常値になっている状態です。
更に詳しく言うと、脂質異常症(高脂血症)は血清脂質値が異常を示す病気です。
血清脂質値とは、血液中の脂肪分の濃度のことです。
血液の中の脂肪分はいくつかのタイプに分けられ、健康な人はLDL-コレステロールが140mg/dL、HDL-コレステロールが40mg/dL、中性脂肪が150mg/dLです
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脂質異常症と診断される基準は次の3つです。
血清脂質値とは、血液の中の脂肪分の濃度(濃さ)のこと。
重複しますが、血液の中の脂肪分はいくつかのタイプに分けられ、健康な人は、LDL-コレステロールが140mg/dL未満、HDL-コレステロールが40mg/dL以上、トリグリセライド(中性脂肪)が150mg/dL未満です。
この三つの値のいずれかがその範囲を超えた状態が、脂質異常症です。
血清脂質値が異常でも、通常、症状は現れません。
症状が現れないのにもかかわらず、知らず知らずのうちに、全身の血管が傷めつけられます。
その影響は主に、動脈硬化となって現れます。
動脈硬化が進むと、心臓や脳などの血液の流れが悪くなります。
そして、あるとき突然、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの発作が起き、QOL(生活の質)が低下したり、ときには命も左右されかねません。
脂質異常症と指摘されたら、心臓や脳の発作を起こさないため、血清脂質値(とくに悪玉のLDL-コレステロール)に、いつも気をつけておく必要があります。
血清脂質値!!(検査結果と照らし合わせてみましょう)
↓
★LDLコレステロール(悪玉コレステロール):140mg/dL以上
★中性脂肪:150mg/dL以上
★HDLコレステロール(善玉コレステロール):40mg/dL未満
(いずれも空腹時の血清中濃度)
これらの脂質のうち、何が(コレステロールか?中性脂肪か?)異常値になっているかで「高コレステロール血症」か「高脂血症」に分類されます。
繰り返します。
高脂血症は脂質異常症の一つであり、高脂血症のみが脂質異常症ではないのです。
脂質異常症になってしまうとどのような病気を引き起こすのでしょうか?
脂質異常症は動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞など重大な病気につながります。
中性脂肪が極端に高いと急性膵炎を起こすこともあります。
★動脈硬化による心臓、脳の病気
心臓から全身に血液を送り込む役割の動脈の内壁が肥厚し硬化した状態を動脈硬化と呼びます。
アテローム性動脈硬化、細動脈効果、中膜硬化のタイプに分けられます
動脈硬化症に起因する病気・・・虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)、
脳血管障害(脳卒中、脳こうそく、脳血栓脳出血、くも膜下出血等)
★閉塞性動脈硬化症(抹消動脈硬化症)
下肢、腎臓などの動脈に現れる。
症状としては、下肢に冷感やしびれ感、間欠性跛行、補講や階段の昇降の際、ふくらはぎに重だるさ、痛みをおこす。進行すると休んでいるときにも症状が出る。
★急性膵炎
アルコールの過剰摂取や脂肪分の多い食生活などが原因
等
まとめ
脂質異常症と高脂血症の違いは、一言でいうと、同じものであるといっても問題ないでしょう。
2007年に改名されました。
ただ、もう少し正確に言うと、脂質異常症は高脂血症だけではないので、脂質異常症の中に高脂血症が含まれると理解すればよいと思います。
自覚症状がない病気ですので、日頃からの生活を見直し、予防を心掛けることが大切です。
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